個人の意思決定が、自ら選択した基準ではない基準で行われることは①~③までのシリーズで語りました。
ただ、怖いのは、それをわかったとしても、自分の観点から離れて意思決定をすることが不可能なことです。
私たちには常に脳の観点による認識作用が働いているので、常に、この体の範囲を自分だと思い込み、この体の自分を主体(S)として、その自分が何かをする(V)という、経験体験を蓄積し続けます。
生きるということは、このSとVを無限に蓄積し続けるということ、とも言えます。
本来の人間は、この体の範囲にとどまるものではありません。
この体の範囲が自分だという自己イメージは、人間の5感覚と脳を使って観察した時の結果であり、絶対ではありません。相対的なものです。
「どの範囲を自分だと認識するのか?」と「今ここ死ぬことが出来る」
ことは人間の唯一自由意思で選択できることですが、5感覚と脳を使った認識方式では、自由意思を育てることが難しいのが現状です。
その結果、私たちは機械的条件反射の考え、感情、生き方から逃れることが難しいのです。
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