今の人間は狂気に満ちてる。人間の実存をどう捉えるか?

今の人間は狂気に満ちてる。

そんな風に言ったら、いろんな反応がくるだろう。

「そんなに悲観的に捉えなくても」

「良い人だっていっぱいいるよ」

 

そんなことは重々承知。

それでも私は声を大にして言いたい。

 

「今の人間は狂気に満ちている。

まずは、それを受け入れることが大事だ。」と。

 

それを言い切るには理由がある。
そして、それを言い切るには、それを受け入れる事から観える新しい方向性があるからだ。

AI時代が到来し、これから5~10年の間に私たち人間は経験したことがない大きなライフスタイルの転換期を向かえる。

未来学者のアルビン・トフラー氏は言っている。

「これからの時代は人間の再定義が必要な時代だ」と。

 

では、私たちは今の人間の実存をどう捉えたらよいのだろう?

これは筆者が採用する一観点だが、

 

私は、人間の実存は

不信、不安、恐怖、相対比較、自己否定、他者否定を繰り返すことしかできないものだと定義する。

 

理由は、人間が自己イメージを創りあげる時期にある。

よく心理学でも言われることだが、人間の判断基準、自己イメージはこの0~6歳にほぼ90パーセント以上出来上がる。

では、その時期に、私たちはどんなことを経験するのだろう?

人間はオギャーと生まれた時、自分で立つことも、歩くことも、寝返りをうつことさえできない。

目の前のお母さん、お父さんは、自分と違って自由に立ったり歩いたり走ったりできる。

でも、自分の体を自分で自由に動かすことさえできない状態。

排泄も自分で意識的に我慢することができず、おしっこウンコも自分で処理ができない。

そして、自分は「暑いよ~」「お腹減ったよ~」「なんかお尻がムズムズ気持ち悪いよ~」など、伝えたい事があっても、それを表現する為の手段は「オギャーーーーー」と泣くことだけ。正しく自分のことを伝える事も出来ず、いつもお母さんは「何?お腹へったの?」自己解析。「違う!暑いんだよ~!」と思っても、出る言葉は「オギャーーー」だけ。伝わらない・・・

その中で、誰もが、劣等感、諦め、挫折、羞恥心を蓄積していく。

そして、私たちはこの自分が未熟な状態の時に経験したことを元に自己イメージが形成する。

そして、この0~12歳に形成した自己イメージをベースにイメージをベースに、人間は20歳になろうが、30歳、50歳、70歳になろうが、全ての考え、感情、表情、言葉、行動、人間関係を創りだすのだ。

「3つ子の魂100まで」とはよく言ったものだが、どんなに大人になって成長した!理性的に判断できる自分になった!と思っても、実は誰しも人間である限り、私たちの無意識で動いている感情の根底は、劣等感、諦め、挫折、羞恥心。

そして、その劣等感、諦め、挫折、羞恥心を味わうことのないように、努力し、理性的な判断をしながら幸せになろうともがく。

でも、その前提には自分に対する劣等感と諦め、挫折、羞恥心があるのだ。

無意識的に自分の自己イメージが固定された状態で、幸せになりたい、成功したい、豊かな人間関係を築きたい、と思っても、うまくいかない。

一時的には頑張れたとしても、やる気を持続させるのは本当に難しいし、簡単にあきらめたくなるし、相対比較やジェラシーをしたくなるし、自分に心の余裕がない状態で違う判断基準をもった人たちを受け入れる事は簡単ではなく疲れてしまう。

弱い自分を守るために、自己防衛の鎧をいっぱいつけて、顔では笑顔していても、心の中は空虚感。

特にインターネットが開いて全世界の情報が繋がったここ最近は、昔の人が30年で得た情報を3日で得るくらい、情報過多。

そんな中、知識だけはどんどん増えるので、その知識から、常に自分や人をジャッジしてしまう。

実は毎日見えないだけで、私たちは戦争のさなかに居る。

誰もが傷つき、人を傷つけ、ボロボロなのだ。

鬱や自殺は年々増え、

今、世界では、広島・長崎に落とされ死者30万人を出した以上の威力を持つ核爆弾をロシアが8000個、アメリカ6000個、中国が4000個保有している。

地球を何回も破壊できるこの核爆弾をつくることができる人間の心の状態、精神状態を、狂気の状態と言わずに、何と表現できるだろうか?

私は、まずは私たちがこの人間の現在地を勇気をもって受け入れる事が必要だと思う。

誰もが目をそむけたくなるような現在地だが、それを勇気をもって受け入れた時に、私たちは初めて本当の意味で自分の中に問いを持つことができるから。

「なぜ、私は、人間はこんな最悪状態の現在地なの?」
「人間をこうさせてしまう原因は一体何なの?」

と。

自分の心の底からこの問いが湧き上った時、私たちは初めて自分の現在地を変化させることができる鍵を手に入れる事が出来るのだ。

 

 







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