心の中の涙の湖 ①

2歳の時に、お母さんが劇症肝炎という7割の人が亡くなる病気になった。

入退院を繰り返すお母さん。

お母さんのいない、ガランとした家の中。

笑い声のないご飯の時間。

無口な父。

怒ると怖い父。

「お母さん、早く帰ってきて、、、、」

トイレの中で声を殺して泣いた。

でも、泣いても、泣いても

だからといって母が病院から帰ってくることはなかった。

ある時から、泣かなくなった。

泣いても現実は何も変わらない。

泣いたところで、お母さんの病気がよくなる訳でもない。

お母さんを助けたかったけど、小さい私にできることなど何もなかった。

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つづく







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